親が認知症になったらあなたはどうしますか?

私の母も数年前に認知症と診断されました。
私は仕事柄、認知症患者も大勢見てきましたが、家族が介護疲れできつく当たる様子も同時に見てきました。
そんな私は、母にはデイサービスを利用してもらうことにしました。ここに認知症の判定や施設の入所方法など、経験したことをまとめましたのでぜひ参考にしてください。

認知症の判定を受けるには?

認知症の判定を受けなければ、施設が利用できません。

1.地域包括支援センターに相談に行きましょう
市町村が設置している施設で、高齢者のあらゆる相談や支援を行う場所です。
(家族だけで相談に行くことも可能です。)

相談料は無料です。
各種手続きの方法やケアマネージャーの紹介など、わからないことを詳しく教えてくれます。

2.要介護認定を受けましょう
「介護保険要介護・要支援認定書」を市町村窓口に提出します。(書類は役所のホームページでダウンロードできますが、包括センターでも用意しています)

1)一次判定を受けます
相談員が自宅に来て、本人の様子や生活の状態を見て認定調査をします。
主治医にも意見書を書いてもらいます。

2)二次判定
認定調査書や主治医の意見書をもとに、要介護度の認定がされます。
要支援1~要介護5までがあります。

介護度(介護にかかる時間をコンピュータで計算し判定されます)により、受けられる支援が決まります。

介護サービスは、介護保険から費用を補填するので判定を受けることが必要になります。

どんな支援を受けるかケアマネージャーと相談しましょう

ここからは、担当のケアマネージャーが決まり、定期的に訪問をしてくれたり、相談や手続きのお手伝いをしてくれます。

母の場合は、要介護2だったので、デイサービスに週3回通うことにしました。

老人保健施設をさがす

その後、脳梗塞で病院に入院しました。

半身まひのため、退院しても一人暮らしは出来ないので、入所できる施設を探すことになりました。
退院前に、病院の相談員とケアマネージャーが施設探しを手伝ってくれます。

入所希望の施設が決まれば、病院の相談員が連絡を取って、空き室があれば入所日が決定されます。

病院で診察を受けるときに使う保険は、【医療保険】です。
施設に入所中でも、病院を受診したときは医療保険で受診します

施設を利用する際は、【介護保険】の適用になります

高齢者制度を利用しよう

高齢者制度は、高齢者の生活支援をするために、もうけられた制度です。

高齢者の年齢定義がないので、各自治体で適用年齢(何歳から高齢者と判断されるか)が違うことがありますが、給付金や減免など多くの制度があるので、お住いの役所のホームページで調べてから、申請してみてはどうでしょう。

初年度に申請しておけば、次の年は申請用紙が自宅に郵送されてきますので期日までに返送すればよくなります。
費用が高額になったときは、次のような制度があります。

高額介護サービス費=1か月間の自己負担額の上限額を超えた金額が払い戻されます

高額医療合算療養費=、1年間(8月1日~翌年7月31日)の医療保険と介護保険の合算した自己負担額が限度額を超えた金額が支払われます。

くわしい高額療養費制度についてはホームページを参照してください

郵便局に手紙の転送手続きをする

役所から送られてくる申請書類などが、患者本人の家に送られてしまう事があります。

申請期間を見逃さないためにも、転送先を自分宛にしておくことをお勧めします。
(ただし、1年毎に更新する必要があります)
転送手続きは、郵便局のホームページからオンラインで申請ができます

医療費控除も忘れずに!

医療費控除も忘れずに!
おむつ代の助成制度があります

案外高額になるのが、おむつ代です。
この制度は、入院している方だけではなく、自宅で看護している寝たきりの人にも、おむつ代を助成する制度は使えます。

助成制度の査定基準は
1)寝たきり状態であること
2)尿失禁の発生の可能性があること

主治医に【おむつ使用証明書】を書いてもらい、【医療費控除】の申請の書類に添付します。

2年目以降は、寝たきり状態であることが確認できれば【主治医意見書】の写しだけでよいとされています。

まとめ
認知症は、思ったより進行が早く、家族だけで介護をするのは大変です。
人の手を借りることは、決して悪いこととは思いません。

自宅で、ひとりで介護をしてお互い疲れ果ててしまうより、施設に頼り、笑顔でお見舞いに行くほうが両者ともに幸せです。
ただし、入所させてから一度も面会に行かないでほったらかしはいけません。

ニュースで見ることが多い、介護者による虐待も、定期的に家族がお見舞いに行くことで防げます。

介護費用は、高額ですが制度をうまく活用して費用の負担を軽減し、無理のない範囲で施設の利用なども検討してみてはいかがでしょうか

出典・厚生労働省保険局